Tomorrow's Song

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ぼくの歌・みんなの歌 / 森達也
僕だけじゃない。きっと誰もがそうなのだろう。それぞれの人生の局面には、それぞれの歌の思い出があるはずだ。
この本のテーマは「人生における局面と音楽」だ。主語は一人称単数。つまり正確には「僕の人生における局面と音楽」。音楽は内なる部分を喚起する。だからその意味では、とてもパーソナルな記述が多くなる。
社会派の映画監督・作家として知られる森達也氏が、講談社「本」での連載をまとめたもの。彼のこれまでの著作とあまりに佇まいが違うので、一瞬同名の別人かと思いました。

まるっきり親の世代、1956年生まれの著者のごく私的な音楽体験と思い出が、15曲分。たとえば「青空」「Yesterday Once More」「傘がない」「赤色エレジー」「喝采」「雨あがりの夜空に」「Imagine」「Born In the U.S.A.」…。なので、知っている曲だとしても思いだす景色はずいぶん違う。そういう意味では、少し時代がかった短編小説のように読めもする。

けど、ただのオヤジの回想録に終わらないのがこの本を薦める理由なのです。わたくしごとに終始するのではなく、それぞれの楽曲の時代背景と歌詞のつながり、アーティストの立ち位置などをきちんと解説してくれていて、ワカモノにとってはとても学ぶところの多い資料集としても読める。例えば「Hotel California」における“あいにくうちでは1969年以来 お酒/魂 = Spirit はお出ししていません” の歌詞に隠されたメタファーとかさ。「作り手の本当の意図」っていうのは、なかなか表に現れなかったり誤解ぶくみで伝えられたりもするけれど、知らないより知っている方がよりいっそう音楽を楽しめるはずで。読み応えがあります。


Hotel Californiaについてワタクシが語るとすれば、思い出すのは16の秋。カナダの片田舎にホームステイをしたはいいけれどいまいち馴染めないまま時間が過ぎて。買い物帰りにカーステからこの曲が流れてきて「あ、この曲知ってるよ」って言った途端、バディに事故りそうなほど驚かれた。「ママ!エリはイーグルス知ってるんだって!」と帰ってから大騒ぎ。彼女も私も特にイーグルスが好きってわけでもなかったのだけど、遠く離れた異国と、自分の知ってる世界がつながった瞬間だったんだろうな。その日からの1週間はあっという間だった。…こういう話をし出すと、明け方まで終わらないので今日はこの辺で。

■ Amazon:ぼくの歌・みんなの歌 / 森達也
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