(久しぶりのクロスレビュー。イワホリの記事もあわせてどうぞ

耳に届く音から、光や風を感じることがある。
それはステージでも、ヘッドホンからでも。

眠ってしまった誰かを起こさないように、そっとささやかれるナカノ氏からのメッセージ。愚直とも言えるその思いを受け取ってレコードをひっくり返し(たつもりになって)、B面の幕開けである「明け星」の冒頭で、わたしの耳は確かに光を感じた。夜まだき、ふと先に目を覚ました時の言いようのない心地よさと一緒に。

とっぷりと音に沈み込む夜から、きらきらとひかる朝、そしてひとつ前とはまったく違う風景の夜まで。先行して発表されていたトラックを聴く限り、みな底を静かに疾走するような鋭いイメージの作品になるかと思っていた。なので、全編を通して聴いた時の(特にB面!)明るさと力強さに驚いたのだ。喜びも、悲しみも、絶望も、希望も。彼らがこの5年間で得たすべての想いがこめられているのだろう。その葛藤を想像することさえ出来ないけれど、最後に鳴り終える音が優しくてあたたかな響きを持っていることだけで十分に嬉しい。

しなやかで歌心のあるベースライン、よくよく聴けば我の強いドラム(「明け星」の浮つかない跳ねっぷりったら!)、素直で、つややかで、それでいて容赦なく胸をわしづかみにするヴォーカル。重厚なサウンド・オブ・ウォールを築き上げる恒松氏の鍵盤から、時折隠しきれないコムロっぽさを感じてしまうのもくすぐったく、そしてうれしい。

聴けば聴くほどすっかり旧知の音であるような気がしてくるのだけど、実は出会ってまだ2ヶ月も経っていないのだ。初めて見たライヴは、ちょうどこの作品のリリースが告知された日。出会いから一連の流れもあわせて、大切にしたい作品がまたひとつ増えた。月末からは、この作品を携えて全国をくまなくまわるツアーもスタート。ステージから風が吹くような、そんな夜がいくつも生まれるんだろう。ファイナルのワンマンが、本当に楽しみ。

そうそう、「特典」というにはあまりにも力の入ったライヴアルバムについては、また明日。実はもったいなくてまだ聴いてない!

■PBL: GroundDisco特設サイト


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