2010.12.31 Friday
あなたの人生の物語 / まつきあゆむ
まずは、今年のはじめに、僕が『一億年レコード』について書いた感想を再掲します。
§
スタイルとしての魅力以上に、これも当たり前なんだけれど作品としての質も素晴らしい。フィジカルでいうところのダブル・アルバム、「地球編」と「宇宙編」合わせて26曲、合計2時間以上というボリューム、まるでベックがビートルズのリミックス・アルバム「LOVE」を更にリメイクしたような、濃密さとカジュアルさが共存する不思議な感覚。希望も不安も、過去も未来も現在も全部ある音楽。そう、僕はゼロ年代に(それはとても多感な20代だった)沢山の音楽を聴いて来たはずなのに、恥ずかしながらその最初に買ったアルバムが誰の何だったか思い出すことができない。でも、来る10年代に最初に買ったアルバムは、きっと10年先でもはっきりと思い出すことが出来るはず。2010年最初に買ったアルバムは、まつきあゆむの「一億年レコード」だったと。
まさかまつきではじまり、あゆむで終わる年になるとは、この時は全く思っていなかった。
そう、今年のはじめにいきなり2枚組のボリュームで、流通も宣伝も飛び越して、僕のハードディスクにダイレクトで飛び込んで来たまつきあゆむくんが、今年の終わりに再び、大作を届けてくれた。
前作「1億年レコード」を制作していた時と今作「あなたの人生の物語」とで、まつきくんの宅録中心の作曲スタイル、そしてtwitterやtumblrなどによるインターネット・コミュニケーションにインスパイアされた言葉使いに、さほど大きな違いはない。ただ、twitterにおけるフォロー/フォロワー数の爆発的な増加、いわゆるメジャーの舞台で活躍するミュージシャンからのピュアな羨望と賞賛等ー もちろん「1億年レコード」の音楽、そして活動姿勢を評価してのものだー この一年を通じて彼がマイペースながら着実と積み上げて来た経験値が、じんわりと、しかし確実に感じとれる。ライナーノーツとしてzipファイルに収められている、twitterのハッシュタグ#anatanojinseiで集められた呟きをもとにつくられたpdfが象徴的だ。
まつきくんの音楽を聴いていると、何故か中村一義くんの「生きている」の一節を思い出す。
「音が旅に出て、君と会って、歌になって。うん!生きている。僕はそう思う。」
もう、パーフェクトだよね。clap your hands say yeah!やらradioheadやらASHやら、ジャンルも国境も規模様々ながら、インターネットと音楽の幸福な繋がりを見せてくれたミュージシャンを沢山見て来た。2011年、日本には、まつきあゆむがいる。
まつきあゆむウェブサイト
http://matsukiayumu.com/
ミュージックサルベージ by matsukiayumu
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スタイルとしての魅力以上に、これも当たり前なんだけれど作品としての質も素晴らしい。フィジカルでいうところのダブル・アルバム、「地球編」と「宇宙編」合わせて26曲、合計2時間以上というボリューム、まるでベックがビートルズのリミックス・アルバム「LOVE」を更にリメイクしたような、濃密さとカジュアルさが共存する不思議な感覚。希望も不安も、過去も未来も現在も全部ある音楽。そう、僕はゼロ年代に(それはとても多感な20代だった)沢山の音楽を聴いて来たはずなのに、恥ずかしながらその最初に買ったアルバムが誰の何だったか思い出すことができない。でも、来る10年代に最初に買ったアルバムは、きっと10年先でもはっきりと思い出すことが出来るはず。2010年最初に買ったアルバムは、まつきあゆむの「一億年レコード」だったと。
まさかまつきではじまり、あゆむで終わる年になるとは、この時は全く思っていなかった。
そう、今年のはじめにいきなり2枚組のボリュームで、流通も宣伝も飛び越して、僕のハードディスクにダイレクトで飛び込んで来たまつきあゆむくんが、今年の終わりに再び、大作を届けてくれた。
前作「1億年レコード」を制作していた時と今作「あなたの人生の物語」とで、まつきくんの宅録中心の作曲スタイル、そしてtwitterやtumblrなどによるインターネット・コミュニケーションにインスパイアされた言葉使いに、さほど大きな違いはない。ただ、twitterにおけるフォロー/フォロワー数の爆発的な増加、いわゆるメジャーの舞台で活躍するミュージシャンからのピュアな羨望と賞賛等ー もちろん「1億年レコード」の音楽、そして活動姿勢を評価してのものだー この一年を通じて彼がマイペースながら着実と積み上げて来た経験値が、じんわりと、しかし確実に感じとれる。ライナーノーツとしてzipファイルに収められている、twitterのハッシュタグ#anatanojinseiで集められた呟きをもとにつくられたpdfが象徴的だ。
まつきくんの音楽を聴いていると、何故か中村一義くんの「生きている」の一節を思い出す。
「音が旅に出て、君と会って、歌になって。うん!生きている。僕はそう思う。」
もう、パーフェクトだよね。clap your hands say yeah!やらradioheadやらASHやら、ジャンルも国境も規模様々ながら、インターネットと音楽の幸福な繋がりを見せてくれたミュージシャンを沢山見て来た。2011年、日本には、まつきあゆむがいる。
まつきあゆむウェブサイト
http://matsukiayumu.com/
ミュージックサルベージ by matsukiayumu