Tomorrow's Song

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グリンプス / ルイス・シャイナー


歴史に「もしも」は禁句だ。だけど「もしも」を転がして遊ぶことほど安上がりで退屈しない時間はない。そして、「もしも」から生まれたストーリーを手に汗握りながら読み進めるのもまた素敵な時間なのです。

「もしも、あの日ジョンがポールと喧嘩をしなかったら…」「もしも、ジム・モリソンが3枚目のレコーディング中にアルコールに溺れていなかったら…」もはや伝説、史実のなかの出来事として語られ、未完成で断片的なブートレッグが細々と出回るだけの作品が目の前のステレオから流れてきたとしたら?そして、それが空耳や妄想ではなく目の前のレコーダーに録音されるとしたら?

『グリンプス』はふとしたきっかけで自分に「未完成の楽曲をステレオから鳴らせる能力がある」と気づいたオーディオ修理工のおはなし。再現されるのは60年代についぞリリースされることのなかった、あるいはまったく姿を変えられてしまったあの曲、この曲、あのアルバムたち。次々と失われた音楽を求めて進む主人公の行き着く先は…。

もともとサイバーパンクの文脈で語られる作者とはいえ、こんな音楽好き垂涎の作品があの出版社から出ずに創元SF文庫から出てるなんてなあ、と思ったら、役者のあとがきに「某大手音楽出版社から発売される予定だったのですが」云々と書かれていて納得。60年代をリアルタイムに感じていた訳者渾身の脚注も見物です。

この本が発表されたのは1993年。主人公がこの能力に目覚めて一番始めに録音するのがビートルズの”The Long And Winding Road”なのですが、まさかこの「非・フィル・スペクター」バージョンが2003年に"Let It Be Naked"のかたちで正式にリリースされることになるとは思わなかっただろうなあ。時に事実は小説より奇なり。

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