Exhivision20代たなおろし企画も本日最終日。「歌は世につれ 世は歌につれ」とはよく言ったもので、あの日あの時あの場所で聴いていた音を思い返すだけで、ずいぶんといろんなことを思い出してしまうもんだ。その素晴らしさ(と少しの痛さ)を知っているから、わたくしたちはいつになっても音楽から離れられないのだろうな。というわけで2009年、つい先日のような気がする日々。

eri's 2009

THE JETZEJOHNSON /『12WIRES』
STAn /『Virginia Sky, Endless Stardust and Darlin'』
OCEANLANE /『CROSSROAD』
the pillows /『Rock stock&too smoking the pillows』
山田稔明 /『pirgrim』

ライヴっこ(下北っこ)完全復活。ほうぼうのライヴハウスに足を運び、知り合いがぐんと増え、勢いに乗ってEXHIVISION名義としては初めてのライヴ企画を打ちました(→Triple Colors Vol.1 / Vol.2)。正直なところ、いち個人で企画を打つのって手間も心痛も気苦労も絶えなすぎるんだけど、自分の聴きたい音だけが鳴り渡る空間の素晴らしさはそれまでの苦労を全部ふっとばす魔法。またやりたいな。

そんなことばっかり考えてたので、ライヴの良いバンドばかりを好んで聴いていた。そして20周年祭の勢いに乗ってやたらピロウズを見ていた気がする一年。バカ正直なロックはいつだって正義だ。



昨日になってイワホリが気づいたとおり10月生まれのわたくしどもの29才、5/6は2010年のことなんだけど。まだ二ヶ月近く残っているので、2010の年間総括は追々やることにいたしましょう。明日からは「Tomorrow's Song」のカンバンどおり、1曲レビューの通常営業にもどりまーす。

さ、20代ラスト・イヤーを振り返ります。なのですがここまで来ておきながら、「10月生まれの人間が年を振り返る場合6分の5はひとつ前の年齢である」という事実に気が付いてしまったのですが、まぁ、考えないことにしよう。

holi's 2009

the beatles / remaster series
the rentals / songs about time!
emmy the great / first love
the boy least likely to / the law of the playground
イルリメ / メイド イン ジャパニーズ


本当ならばこの年にリリースされたAtoZシリーズ5枚のシングルを挙げておしまい!にしたいところなのですが一応アルバム選です。でも、ホント、シングル買う文化が個人的には再燃したんだよね。これもASH効果かしら。

あとはなんといってもレンタルズと、ビートルズリマスター祭。前者は、ASHと似た形で、ある程度ファンベースのあるアーティストによる新しい表現、発表の仕方を示してくれた、というよりはホントなぜもっとこれを多くの人が観ない!と憤慨せずにはいられない好プロジェクト。そして後者は、今現在も続くリマスター再発ブームの火付け役としての功績がデカい。SACDやSHM-CDの登場も、レコードからCDへの移行に比べたらそれほど大きなインパクトは無かったように思えるんだけれど、このリマスター発売に対しての盛り上がりは流石ビートルズというか、ネームバリューの高さを改めて実感。

ま、でもリマスター、リイシューの良い点ってのは、音質がどれだけ向上したとかではなくて、「名盤を再びしっかりと聴く機会を得る」ことだと思ってます。一度聴いて、iTunesのライブラリに入れたらあとはおしまい、じゃ勿体無いしね。

ハイラインもシスコも無くなったのがこの年なのか。自分たちの周りにはあまりにも音楽を愛するひとが多いから青天の霹靂のように感じがちだけど、いわゆる「ギョーカイ」を俯瞰してみると明らかに既存の体制にガタが来てるのが見え隠れしている実感を感じていたのがこのくらいの時期。それこそ7inch+MP3クーポンなんて、特殊ではあるけれどある一定の層にはこれ以上なくマッチした売り方だしね。

eri's 2008

Discoveries / THE JETZEJOHNSON
アナログフィッシュ / Fish My Life
キラキラ / 曽我部恵一バンド
Live without Electricity / 黒沢健一
Nada Surf /Lucky

正直に告白すると、この年はジェッジジョンソンに耳を盗まれたと言っても過言ではない。前述したような状況にも関わらず長年の沈黙を破ってメジャーデビューを果たし、それに付随した活発なライヴ活動にすべての予定を先取りされてもいた年。この歳になって、ふるくから付き合いのあるバンドにマジ惚れするとは思わなかった。いや、でも、確実にそれまでとレベルが違うものを見せつけられた一年でもあった。

それに伴って、とても「ライヴ」に対して活性のあがった一年。学生の頃でもやらなかった「仕事上がりで新幹線で大阪→ライヴ→深夜バスで帰宅→そのまま仕事」をやってしまったのはちょっと後悔してる(うそ)。いきおい愛聴した音源もとびっきりのライヴを見せるひとたちばかり。曽我部兄さんはどんどん若返っていくしな。

この年一番聴いたのはまちがいなくこの曲。東京で、大阪で、幕張で。

こうして振り返ってみると、この5年位の「音楽の聴き方」の変化って本当に回りが早いと痛感。この年の上半期総括で使っていたmuxtapeなんて、夏の終わりにはもう使えないものになってしまっていたし。
個人的にはようやくradioheadのライブを観る事ができたというのがこの年を象徴するニュースのひとつだったわけだけれど、ciscoの閉店→倒産、下北沢ハイラインレコードの閉店という今年のHMV渋谷店閉店を予見するような出来事も。

holi's 2008

Friendly Fires / Friendly Fires
cut copy / In Ghost colours
Van She / V
Black Kids / Party Traumatic
Noah and The Whale / Peaceful, the World lays me down

モデュラーやキツネに代表されるニュー・レイヴ以降のエレクトロ・ロックに一番コネクトしてたのがこの頃だったかな。海外ブログサイトを夜通し散策しては新しい音を探す日々。それと平行していわゆるギターロックもの、そして「テムズ・ビート」以降の、カントリーやネオアコを再解釈したインディーものをバランス良く聴いていたような。あと、この年位から「ヴァイナルのレコード+ダウンロード・クーポン」というパッケージの販売が始まって来たのかな。CDとレコードの買う比率が逆転したというのも、個人的には大きな転換点。



ふたり合わせて還暦越えの10月を過ぎ(合わせんな)11月になっちゃいましたが、もう少しだけ思い出迷子にお付き合いください。もちょっと早く始めればよかったな。

そうだ、2007年の1Qは、全身全霊をかけてスパイラルライフのことを考えていたのだった。「横浜アリーナでスパイラル聴きたくねえ?」って言いたいがために。イベントが終わっても熱は冷めやらず、Exhivision結成と相成ったのでした。

eri's 2007

ASH / 『Twilight of the innocents』
Radiohead / 『In Rainbows』
くるり / 『ワルツを踊れ』
コンタクト / 『Hopeful Monster』
The Enemy / 『We'll Live And Die In These Towns』

夜な夜な音楽の話ばっかりして、きちんと記録として残すべくこのブログを始めたせいもあって、すごくたくさんの音源を聴いてるし、印象深い盤もたくさんある。ホリも書いてるけど、単なる「CDと同じ音源をダウンロード販売しますよ」という音楽配信から、さらにいっぽ踏み込んだアイデアが実現されはじめたのがこの年。そういう動きを追いかけながら、とてもていねいに海外インディ勢を聴いた一年だったなあという印象。

なぜかこのバンドに対する見解はまったく相容れなかったのを想い出した。わたくしサマソニマリンまでこぶし振り上げに行ったのに。

2007年。この年exhivision始動=当ブログの始まり。色々今読み返すと恥ずかしかったりもしますが、てっとり早く一年を思い返すと、この対談あたりか。いやー、恥ずかしい。

cross talk: FLASH BACK 2007.

そしてこの件を見て絶句。。。
アオキ:うーん、ちょっとねえ(笑)。今だからこそ、恥ずかしげもなく言えるのよね。「10年前、17才」そうだな、30すぎたら言えないよね。…どうなんだろ、言ってたりしてね。
イワホリ:絶対言ってると思うぜ(笑)。30になったら「40になったら絶対言えないよね」って言ってると思う(笑)。

。。。気を取り直して。この年はASHが例の「ラスト・アルバム」宣言をした年であり、レディオヘッドが「イン・レインボウズ」のリリースで音楽業界に大きな爆弾を投げかけた年。

holi's 2007

ASH / Twilight of the innocents
Radiohead / In Rainbows
くるり / ワルツを踊れ
Super Furry Animals / Hey! Venus
Mark Ronson / Version

ついにロックンロールで踊り出した年。ベッドルームリスナー気取るなんてやっぱりガラじゃねえなと気付いて、どんどん外へ、新しい音へ手を伸ばしなおした時期。そして「25才の夏に25年ぶりの幼なじみに会う」と嘯くようなイワホリとの出会いもこの年だったのでした。まあ、改めて振り返って、こんだけ同じ音聞いてりゃね。

eri's 2006

the ARROWS /『ARROW HELLO WONDERFUL WORLD』
clammbon /『LOVER ALBUM』
曽我部恵一 /『LOVE CITY』
MIKA / 『Life In Cartoon Motion』
Primal Scream /『RIOT CITY BLUES』

書き出してみるとずいぶんとっちらかった、ハイとロウを行ったり来たりする5枚。週末のダンスフロアで出会って強烈な印象を残し、そのまま音源を何度も聞き続けた作品と、ひとりぼんやりと過ごすウィークデイのおともにした作品を。曽我部にいさんを改めて愛聴するようになったのも、このアルバムに依るところが多い。いろんな夜を思い出させる5枚。

やっぱロックンロールは明るくなくっちゃ!


DJを始めた年であり、EXV的にはアオキとイワホリが初遭遇したのもこの年。というわけでここまでtomorrow's songをやっていなかったというのも今となっては不思議な感じ。あと、youtubeが一般に浸透した年っていうのは歴史の教科書レベルな出来事なんじゃないだろうか。

Holi's 2006

The Beaches / The Beaches
The Flaming Lips / At War With The Mystics
The Pipettes / The Pipettes
Arctic Monkeys / Whatever People Say I am, That's What I'm Not
曽我部恵一 / Love City

勿論当時どのアルバムも愛聴したのだけれど、今回の5枚は当時の5枚というよりは、2010年の今も聴きたい、DJでかけたいアルバムという観点で選んでいます。なんで、Fratellisとか、"country Girl"のプライマルとかの方が当時の再生回数は多いかなと思うんだけれど、選外にしました。とはいえやはりアークティックは外せないっすね。

そして、ビーチズ。あんなに良かったジェリーリーを止めて何をするのかと思ったら突然のサマー宣言。ストレートなロックンロールからレゲエやダブといったビートを積極的に取り入れ『パンク』というスタイルを更新していったクラッシュを思えばJLPからビーチズへの進化は非常に理にかなったものであるけれど、こんなバンド他の何処にもいないよなー。2010年、これまた唐突にロングバケーションに入ったけれど、ヒサシさん、次の一手も楽しみにしています。

この翌年、2006年にDJを始めるのですが、そのきっかけとなる仲間と出会ったのがこの年。色々と感慨深いものがあるなー。初めてサマソニへ行ったのもメタモへ行ったのもエレグラへ行ったのもこの年。

Iwaholi's 2005

junior senior / hey hey, my my, yo yo
M.I.A / Arular
soulwax / nite versions
くるり / NIKKI
髭 / Thank you, Beatles

2manyDj'sのミックスCDやキツネのコンピレーションが代官山のボンジュール辺りから火が付き、いわゆるエレクトロがダンス・ミュージックの表舞台に出て来たり、M.I.Aに代表される第三世界のビートが僕のようなロック・リスナーの耳にも届き始めたのが、この年位からだったのかな。特にsoulwaxに代表される「マッシュアップ」-2つの曲をごちゃ混ぜにして再構築するスタイルにとにかくハマって、夜な夜なブートレガーのブログを回ってチェックしてた。この辺りもう完全に、シャッフル再生を前提とした、iTunesの中がメルティング・ポッドと化す音楽の聴き方にマッチしていたというか、引っ張られているね。

軽い気持ちではじめたら、想像以上に心のかさぶたをひきはがされ血みどろになっている「Exhivisionの20代、思い出迷子ディスクガイド」もようやく折り返し。iTunesとにらめっこし、CD棚を茫洋と見つめ、つい当時の手帳など引っぱり出し、さらに傷口に塩を塗りこめながらお送りしますよ。

eri's 2005

GOMES THE HITMAN /『ripple』
HARCO /『Portable Tunes -HARCO CM WORKS-』
くるり /『NIKKI』
音速ライン / 『風景描写』
Franz Ferdinand /『You Could Have It So Much Better』

この年最大のトピックは、スパイラル以来10年以上連れ添ったスクーデリア・エレクトロの解散。しかも「この先は俺ステージ立つかどうかわからんもんね」という石田氏の言にそれはもう切ない思いをした(まあそれはあっさりと覆されることになるのだけど)。そんな風に足しげくライヴに足を運んでいたバンドが次々に姿を消し、日々の仕事に忙殺されていたせいもあって、すっかりベッドルーム・リスナーに成り果てた年。この10年でいちばんおとなしくしてた気がするわ…。

そして改めて気づかされたのは、思った以上に自分くるり好きなのなー。それこそ「もしもし」の頃からずっと見たり聴いたりしているのだけど、それほど熱っぽく「あたしくるり大好きなんです!」って思ったことがなかった。単独公演見たのなんて数えるほどだし。それでも年ごとにCDを手に取ると、すべての作品に強い思い入れと思い出が残ってる。知らぬうちに積もっていた恋心に驚く次第。

いつ見ても名作過ぎるヴィデオ。


CMソング王の名をほしいままにしていたHARCOにーちゃんの(一般向け)出世作。改めて聴くのがつらいくらいよく聴いてたわ…。


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